「同棲を始めるけど、続柄って何て書けばいいの?」
そんな疑問を抱えながら、住民票や賃貸契約の書類を前に手が止まってしまった経験はありませんか。
同棲カップルにとって、続柄の書き方は意外と悩ましい問題です。書き方を間違えると、税金の控除が受けられなくなったり、会社に同棲がバレてしまったりするリスクもあります。
この記事では、住民票・賃貸契約・会社の書類など、シーンごとの正しい続柄の書き方を詳しくお伝えしていきます。あなたの状況に合った書き方が見つかるはずです!
同棲カップルの続柄について、まず結論からお話ししていきます。
状況によって適切な書き方が異なるため、自分たちに当てはまるパターンを確認してみてください!
結婚していない同棲カップルの場合、続柄は「同居人」と書くのが最も一般的です。
なぜなら、法律上の婚姻関係がないため、親族としての表記はできないからです。
住民票でも賃貸契約でも、迷ったら「同居人」と書いておけば間違いありません。ただし、書類によっては他の選択肢もあるので、状況に応じて使い分けていくことが大切になってきます。
結婚を前提に同棲している場合は、「婚約者」と書くことも可能です。
実は、正式に婚約していなくても「婚約者」と書いて問題ないケースも多いのです。
特に賃貸契約では、「婚約者」と書いた方が大家さんからの信用を得やすくなります。したがって、不動産会社によっては「婚約者」と書くことを勧められる場合もあるでしょう。ただし、年単位で関係性が変わらない状態が続くと不自然に感じられることもあるため注意が必要です。
生計を一つにして、事実婚として生活している場合は「夫(未届)」「妻(未届)」と書けます。
この表記を使うと、社会保険で扶養に入れる可能性が出てくるというメリットがあります。
ただし、住民票に「夫(未届)」「妻(未届)」と記載すると、会社に同棲していることが分かってしまいます。さらに、同棲を解消した後も、同じ市区町村内に住み続ける場合は住民票に名前が残ってしまうため、慎重に判断していきましょう。
同性パートナーの場合、基本的には「同居人」と記載することになります。
現在の日本では同性婚が法律上認められていないため、「夫」「妻」という表記は原則として使えません。
ただし、一部の自治体では、パートナーシップ宣誓制度を利用している場合に限り、住民票の続柄を「夫(未届)」「妻(未届)」に変更できる制度を導入しています。たとえば、世田谷区や中野区、横須賀市などがこの制度を取り入れており、今後も拡大していく見込みです。
続柄を書く際に最も重要なのが、「誰を基準にして関係を書くか」という視点です。
この視点が書類によって異なるため、混乱してしまう人が多いのです。
基本的なルールを理解しておけば、どんな書類でもスムーズに記入できるようになっていきます!
住民票における続柄は、必ず「世帯主から見た関係」で記載します。
たとえば、あなたが世帯主の場合、自分自身は「本人」と書きます。一方、パートナーを同じ世帯にする場合は、世帯主であるあなたから見て「同居人」または「夫(未届)」「妻(未届)」となります。
この基本ルールを覚えておけば、引っ越しの際の転入届・転出届でも迷わずに記入できるでしょう。住民票は行政サービスの基礎となる重要な書類なので、正確に記載していくことが大切です。
会社に提出する年末調整の書類では、「自分(申告者)から見た関係」を書きます。
住民票とは視点が逆になるため、ここで間違えてしまう人が非常に多いのです。
たとえば、世帯主が父親で、あなたが実家暮らしの場合、年末調整の「世帯主との続柄」欄には「父」ではなく「子」と書きます。なぜなら、年末調整は「あなた自身」が申告する書類だからです。同棲している場合で、自分が世帯主なら「本人」、パートナーが世帯主なら「同居人」と記載していきましょう。
賃貸契約書における続柄は、「契約者(借主)から見た関係」で記載します。
したがって、契約者が自分の場合、同居するパートナーとの関係を記入することになります。
一般的には「同居人」または「婚約者」と書くケースが多いです。特に「婚約者」と書くと、大家さんや管理会社からの信頼を得やすくなり、審査に通りやすくなる傾向があります。ただし、連名契約の場合は、それぞれが契約者となるため続柄の記載方法が変わってくる点に注意しましょう。
保険契約における続柄は、「契約者から見た関係」で記載します。
ただし、同棲しているパートナーを保険金の受取人に指定できるかは、保険会社の規定によって異なります。
基本的に受取人は2親等以内の血族(配偶者、子、両親、祖父母、兄弟姉妹、孫)に限定されています。しかし、内縁関係が認められる場合や、保険会社によっては同棲期間などの確認を経て、パートナーを受取人にできるケースもあるのです。事前に保険会社に確認してみることをおすすめします。
続柄を正しく書くための最重要ポイントは、「誰を基準にして書くか」を最初に確認することです。
書類によって基準となる人物が異なるため、この確認を怠ると間違えてしまいます。
書類を見たら、まず「世帯主との続柄」「あなたとの続柄」「契約者との続柄」など、どの立場から見た関係を書くのかをチェックしましょう。そして、その基準者から見て、記入する相手がどういう関係にあるのかを考えていけば、正確に記入できるようになっていきます!
実際の場面ごとに、具体的な続柄の書き方をお伝えしていきます。
それぞれのシーンで求められる情報が異なるため、状況に応じた書き方を確認していきましょう。
自分に当てはまるケースをチェックしてみてください!
住民票での続柄は、世帯主から見た関係を記載します。
婚約前の同棲や、結婚予定が明確でない場合は「同居人」と書くのが基本です。
たとえば、あなたが世帯主でパートナーと一つの世帯にする場合、パートナーの続柄は「同居人」となります。この書き方は最もシンプルで、後々のトラブルも少ない方法です。一方、二人とも世帯主になる場合は、それぞれ別の住民票が作られるため、相手の名前は住民票に記載されません。
事実婚として認められたい場合は、続柄を「夫(未届)」「妻(未届)」と記載します。
この表記にすることで、社会保険の扶養に入れる可能性が生まれてきます。
ただし、いくつか注意点があります。まず、会社に住民票を提出する際、同棲していることが明らかになってしまいます。加えて、同棲を解消して別々に暮らすことになっても、同じ市区町村内に住み続ける場合は、世帯主の住民票に相手の名前が残り続けてしまうのです。こうした点を理解した上で選択していきましょう。
賃貸契約では、「婚約者」と書くと審査に通りやすくなる傾向があります。
なぜなら、「同居人」や「友人(同棲)」よりも、関係性が安定していると判断されるからです。
実際、不動産会社によっては、結婚予定がまだ明確でなくても「婚約者」と書くことを勧めるケースがあります。一方、明らかに結婚の予定がなく、ルームシェアに近い形で住む場合は「友人(同棲)」や「知人(同棲)」と書くのが誠実な対応といえるでしょう。重要なのは、無断で同棲を始めないことです。
年末調整の書類では、「あなた(申告者)から見た関係」を記載します。
同棲しているパートナーを扶養に入れる場合を除き、基本的に年末調整にパートナーの情報を書く必要はありません。
もし世帯主の欄を記入する場合、自分が世帯主なら「本人」と書きます。パートナーが世帯主の場合は、パートナーの氏名を書いた上で、続柄欄に「同居人」と記載しましょう。なお、事実婚として社会保険の扶養に入っている場合は、「夫(未届)」「妻(未届)」と書くことになります。
保険契約では、基本的に2親等以内の血族しか受取人に指定できません。
そのため、同棲しているパートナーを受取人にすることは原則として難しいのが現状です。
ただし、内縁関係が認められる場合や、同棲期間などの条件を満たせば、受取人に指定できる保険会社も存在します。加えて、2015年以降は同性パートナーを受取人に指定できる保険商品も登場しています。パートナーを受取人にしたい場合は、事前に保険会社に相談してみることをおすすめします!
同棲といっても、その形はカップルによってさまざまです。
ここからは、関係性や状況に応じた続柄の書き方を具体的にご紹介していきます。
自分たちのケースに最も近いパターンを見つけてみてください!
まだ婚約していない状態での同棲では、「同居人」が最も無難な選択です。
この書き方なら、住民票でも賃貸契約でも、特に問題なく受理されます。
また、世帯を別々にすることで、お互いが世帯主として住民登録することも可能です。この方法を選べば、住民票に相手の名前が載らないため、会社に同棲がバレる心配もありません。ただし、行政手続きはすべて個人単位で行う必要があるため、手間がかかる点は理解しておきましょう。
結婚を前提に同棲を始める場合は、「婚約者」と書くのが一般的です。
賃貸契約では特に、「婚約者」と書くことで審査に通りやすくなる効果があります。
ただし、半同棲の段階では、住民票を移す必要はありません。週末だけ相手の家に通うような状態であれば、生活の拠点が変わっていないためです。一方、本格的に同棲を始めて生活の拠点が変わった場合は、法律上、住民票を移すことが義務付けられています。
正式に婚約している場合は、堂々と「婚約者」と記載できます。
ただし、実は法律上「婚約」の明確な定義はないため、婚約指輪の有無などは問われません。
賃貸契約や住民票において、「婚約者」と書くことに特別な証明書は必要ないのです。したがって、結婚の意思があり、将来的に入籍する予定があれば「婚約者」と書いて問題ありません。この書き方は、同棲の正当性を示す上でも有効な方法といえるでしょう。
生計を一つにして、事実上夫婦として生活している場合は「夫(未届)」「妻(未届)」が使えます。
この表記を使うメリットは、社会保険の扶養に入れる可能性があることです。
具体的には、相手の年収が130万円以下などの条件を満たせば、健康保険や国民年金の保険料を負担せずに保障を受けられるようになります。ただし、住民票にこの表記があると、会社に同棲が知られてしまう点には注意が必要です。メリットとデメリットをよく比較して決めていきましょう。
同性パートナーの場合、基本的には「同居人」という続柄になります。
ただし、自治体によってはパートナーシップ宣誓制度を利用することで選択肢が広がります。
たとえば、世田谷区や中野区、横須賀市などでは、パートナーシップ宣誓をした同性カップルに対して、住民票の続柄を「夫(未届)」「妻(未届)」に変更できる制度を導入しています。この制度を利用できる自治体は徐々に増えており、今後さらに広がっていく見込みです。お住まいの自治体で利用可能か確認してみることをおすすめします!
友人とのルームシェアの場合も、基本的には「同居人」と記載します。
ただし、恋人との同棲と異なり、友人同士では「婚約者」や「夫(未届)」といった選択肢はありません。
賃貸契約では、ルームシェアを禁止している物件もあるため注意が必要です。また、それぞれが収入を得て独立して生活している場合は、お互いが世帯主となり、別々の住民票を作ることが一般的になります。この場合、住民票には相手の名前は記載されません。
会社や家族に同棲を知られたくない人は、書類の書き方に特に注意が必要です。
うっかりした記載ミスや手続きの仕方で、思わぬところからバレてしまうケースがあります。
ここからは、同棲がバレやすいポイントと、その対策をお伝えしていきます!
会社に同棲がバレる最も多いきっかけは、住民票の提出です。
引っ越しの際に住民票の提出を求められる会社では、住民票の内容から同棲が分かってしまいます。
特に、一つの世帯にして「同居人」や「夫(未届)」「妻(未届)」と記載している場合、その情報が会社に伝わることになります。したがって、会社に知られたくない場合は、それぞれを世帯主として別々の住民票を作るのが最も確実な方法です。この方法なら、住民票に相手の名前が載らないため、バレる心配はほとんどありません。
親や家族に知られたくない場合も、住民票の扱いが重要になります。
実家に住民票を残したままにしていると、役所からの郵便物が実家に届いてしまいます。
たとえば、選挙の投票用紙や運転免許証の更新案内などが実家に送られ、そこから同棲が発覚するケースがあるのです。加えて、相手が同じ住所に住民票を移していた場合、何かの拍子に親が住民票を取得した際にバレてしまう可能性もあります。完全に隠したい場合は、慎重な計画が必要でしょう。
世帯主を別々にすることで、住民票から同棲がバレるリスクを大幅に減らせます。
なぜなら、それぞれが世帯主の場合、住民票には本人の名前しか記載されないからです。
たとえば、会社に住民票の写しを提出する場合でも、相手の名前は一切載っていないため、同棲していることは分かりません。ただし、この方法では社会保険の扶養に入ることはできず、行政手続きもすべて個人単位で行う必要があります。プライバシーを守るためのトレードオフとして理解しておきましょう。
賃貸契約書に同居人として相手の名前を記載していても、それだけでバレることはほとんどありません。
しかし、郵便物の宛名から同棲がバレるケースは意外と多いのです。
たとえば、同じ住所に二人分の郵便物が届くことで、配達員や近隣住民から情報が漏れることがあります。したがって、会社に知られたくない場合は、重要な郵便物だけ実家に送ってもらうなどの工夫も必要でしょう。また、宅配便の受け取りも、できるだけ営業所留めにするなどの対策が有効です。
続柄を間違えて記入してしまった場合、どう対処すればよいのでしょうか。
放置すると、税金の控除が受けられなくなったり、契約トラブルに発展したりする可能性があります。
ここからは、間違えた場合の対応方法と、そもそも間違えないための注意点をお伝えしていきます!
続柄を間違えると、さまざまなトラブルが発生する可能性があります。
最も多いのは、年末調整で続柄を間違えたことにより、扶養控除などが正しく適用されないケースです。
たとえば、本来受けられるはずの控除が適用されず、結果的に納税額が増えてしまうことがあります。加えて、保険契約では、受取人との続柄が不正確だと、保険金の支払いがスムーズに行われない場合もあるのです。賃貸契約においても、入居申込書の続柄と実態が異なると、契約違反と見なされるリスクがあります。
住民票の内容を間違えて届け出てしまった場合は、速やかに役所で訂正手続きを行いましょう。
訂正には「住民異動届」や「世帯変更届」などの書類が必要になります。
具体的には、本人確認書類(マイナンバーカード、運転免許証など)を持って、住民登録をしている市区町村の窓口に行きます。そして、訂正したい内容を窓口の職員に伝えれば、適切な手続きを案内してもらえます。訂正自体は比較的簡単なので、気づいた時点ですぐに対応することをおすすめします。
年末調整などの会社書類を間違えた場合は、すぐに会社の担当部署に連絡しましょう。
提出後でも、会社が税務署に提出する前であれば、訂正が可能です。
訂正方法は、間違えた箇所に二重線を引き、その上に訂正印を押します。そして、訂正箇所の近くに正しい内容を記入すれば完了です。なお、修正液や修正テープは使用できないため注意してください。もし会社への提出後、税務署への提出も済んでしまった場合は、確定申告で修正することになります。
保険契約の受取人や続柄を変更したい場合は、保険会社に連絡して手続きを行います。
受取人の変更には、契約者本人の申し出と、被保険者の同意が必要です。
具体的には、保険会社から送られてくる変更手続き用の書類に、受取人の名前、性別、生年月日、続柄などを記入します。記入ミスがないよう、できれば受取人が一緒にいるときに手続きを行うのが理想的です。なお、離婚した場合など、家族構成に変更があった際は、速やかに受取人の変更手続きを行いましょう。
続柄の書き方で迷った場合、相談先は書類の種類によって異なります。
住民票に関することは市区町村の窓口、年末調整は会社の総務部や人事部に相談しましょう。
賃貸契約については不動産会社の担当者に、保険契約は保険会社のコールセンターや担当者に問い合わせるのが確実です。また、税金に関する詳しい相談は、最寄りの税務署や税理士に相談することもできます。分からないことがあれば、一人で悩まず、まずは該当する窓口に相談してみることをおすすめします!
同棲カップルの続柄は、基本的には「同居人」と書くのが最も無難な選択です。
ただし、結婚を前提にしている場合は「婚約者」、事実婚として生活している場合は「夫(未届)」「妻(未届)」という選択肢もあります。重要なのは、書類ごとに「誰を基準にして関係を書くか」が異なる点を理解することです。
住民票は世帯主から見た関係、年末調整は自分から見た関係、賃貸契約は契約者から見た関係をそれぞれ記載していきます。
また、会社や家族に同棲を知られたくない場合は、世帯主を別々にすることで住民票に相手の名前が載らないようにできます。もし続柄を間違えて記入してしまった場合は、速やかに該当する窓口に相談して訂正手続きを行いましょう。
これから同棲を始める方は、お互いの状況や希望をよく話し合った上で、最適な続柄の書き方を選んでみてください!